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エンブレム

専門家のコミュ力

Posted on 2015-09-08

0908

 

デザイン業界の端くれにおりますので、
やっぱりエンブレム騒ぎから離れられません。
(気になっちゃう・苦笑)

 

♦ 聞く耳もたない雰囲気はやっぱり怖い

業界の、世間に対してのコミュニケーションのあり方を見つめ直すきっかけになったとはいえ、
個人である一人のデザイナーが結果的にスケープゴートになってしまったのは
デザイナー各者はさすがにビビるしかありません。。(苦笑)

今まで真摯にプロの矜持を持って仕事をしてきたとはいえ、
少しでも似ているものがあれば、クロのパクリ認定されかねない状況では
冷静に説明しようにも延焼を怖れ本音を言えない雰囲気となります。

 

デザイナーは個人がほぼフリーランス的な立ち位置で働います。

会社を持っていても、個人の名前で売っていますし、
何かあったとしても自分の仕事の問題として対応するならまだしも、
自身のプライベート全てを、
身内・親戚・関係者まで巻き込まれかねないとなれば話は別です。

その状況で戦うとなれば一人の人間としては
ヘタすりゃ生きることに絶望しかねないです。
(実際サノケンが心配。。)

 

♦ 魔女狩りというより文革を連想

エンブレム炎上では魔女狩りとの例えがありましたが
個人的には文革を連想してしまいました。。。

もちろん本場のそれとは全く違いますが、
義憤による制裁が個人に向かう破壊力は関係者をビビらせ黙らせるには十分です。
(義憤ではなく煽っているだけなところも見受けられましたが)

本当は黙ってる場合じゃないデザイン系の業界団体なのですが、
団体も個人で形成されていますので、
正直情けなさを感じつつも、その恐怖感には共感してしまいます。

 

♦ 専門家のコミュ力

たらればですし、「べきだった」なんて言っても仕方ないですけど、
本来は制作した本人の佐野氏が説明などせず、
審査委員が制作過程から選定過程を説明すべきでした。

むしろ似ているものを選んだ審査委員の問題はどうなのかと考えてしまいます。

 

と、横尾忠則氏が1ヶ月前に指摘していました。

 

審査委員の代表は86歳のご高齢を考慮し、
せめて、業界内では大御所と呼ばれ
影響力のある方にはちゃんと出てきて欲しいと思います。
(誰とは書きませんけど。。(-_-))

こういう時にビシッと決めてくれないと、
コミュニケーションの仕事をしているなんて
言っていられなくなります。。

 

とはいえ、あれこれ書きつつも
それぞれのデザイナーは仕事に変わりなく、
真摯に向きあうだけなんですけどね。

自戒を込めて。

 

 

今日も来てくれてありがとうございます^^

それではまた!

 

*** 今日の雑談 ***

先月に受けた『コア(体幹)スイッチ』を毎日でないですが続けていたところ、
なんだか体の柔軟性がアップしたようなカンジがします。
気のせいでも気分は悪くないので(笑)、期待して続けたいと思います♪(^^)

 

フリー以外は使えないものだという、一般認識に。

Posted on 2015-09-07

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東京エンブレムの炎上で、佐野さん本人はかなりキツいだろうけど、
デザイナー側からこれで広く認知されたなぁと思うことがあります。

 

♦ フリー以外は無料・無断で使えないものだという、認識

出来上がったデザインなり、画像なり、イラストなりを
どこかから持ってきてそのまま勝手に使ってはいけないものだという認識を
非デザイナーの多くの方も持ったのではないかということです。
(デザイナーがやらないようにするのは当然としても。。。汗)

 

デザインあるある話の一つに、
クライアント側からこういうのを作って・使ってとの
オーダーがあることがあります。

イメージ共有としてコミュニケーションの一環ならいいんですが、
意外にイメージが固まってしまい、
そのままを使いたいと思っていることもなきにしもあらずで、
感覚的に悪い・ダメだとわかっていない人に
そこにお金や権利が関わるからと伝えても理解されなかったりするのです。

 

なぜお金をかけないとダメなのか、
なぜ使ってはいけないのか、
そこから教えなければならないクライアントさんは、
まあ受けたら大変になりそうなのは想像いただけるかと思います。。

そうならないように努めても、
様々な大人の事情でそうはいかない場合
(営業さんが相談なしに受けてしまったりとか・苦笑)には
制作側はなかなか苦しい思いをします。
(ウチはさすがにそういった事例はありませんが、話としては耳に入ります。)

 

♦ 難しいのは、どこまでがOKでどこからがNGなのかの判断

勝手に使ったりそのまま使うのがダメだと、
ある意味で大変になる部分があっても、
認識が共通になることは悪いことではないと思っています。

いずれもグレーゾーンの判断は難しくなっていきそうですが。。
(裁判でも判断が割れることが多いですしね。)

 

まずは使用範囲。

社内打合せまでならOKか?
取引先との打合せは非公開ものはOK?
競合プレはNG?

内輪の勉強会まではOK?
お金が発生する勉強会・セミナーだと少人数でもNG?

 

あとは見た目の相違。

実際には都度都度に判断するしかないでしょう。
でき上がってみなきゃわからないから。(苦笑)

 

あまり厳密にすると融通が利かなくなり、
首がしまりそうなカンジになりそうですし、
唯一無二のオリジナルの真新しいはできないのが現実です。
(だいたいそんなものがこの世にどれだけ存在するのかも疑問。笑)

特にオリジナルとうたうほど
そうそうオリジナティ溢れるものは採用されないものなので(笑)、
舵取りは難しくなりそうです。

 

♦ 余談

ファッションで個人がブランドもののデザインを参考に
同じようなデザインをオーダーメイドで作るのって
個人的にどうなんだろうと思っているんですけど、
商売するのでなければセーフなんですかね?

公然の秘密なんでしょうか。(笑)

お気に入りがもう売っていないからとかなら
まだわかるんですけど(^^;)

 

 

今日も来てくれてありがとうございます^^

それではまた!

 

*** 今日の雑談 ***

今日は涼しい雨の日です@東京
相変わらず晴れないから気分がスッキリしないですね(~_~)

 

スーパー台風のようなもの。

Posted on 2015-09-04

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*写真は凪の海。

 

ここ一ヶ月ほどのオリンピック騒動で
業界的にワサワサしています。(苦笑)

取引先もリスクマネジメント等の部署があるので、
業界内の失敗・トラブルは
わりとすぐに参考事例として提示されるようなのですが、
今回のはしばらく時間がかかりそうです。

 

よくわかったのは、
スーパー台風に荒れ狂う海に溺れた人は
もう誰も助けられないんだということです。

嵐が過ぎるのを自分の命を守りながら待つしかないのだと。

 

と、思ってスーパー台風でググったら
ちょうど週末にNスペで特集があるようです。

NHKスペシャル MEGA DISASTER(メガディザスター) Ⅱ
第1集「極端化する気象~海と大気の大変動~」

■2015年9月5日(土) 午後7時30分~8時43分

TVをお持ちの方はぜひ!笑

 

 

今日も来てくれてありがとうございます^^

それではまた!

 

*** 今日の雑談 ***

Nスペのサイトを見たら9月の週末に
「映像の世紀」がデジタルリマスター版で再放送決定とか!見たい!!
20年前に放送された、20世紀の歴史を映像でなぞることのできる
ドキュメンタリー番組の名作です。
録画できる環境にある方はぜひ録画をオススメしたいです。
私はオンデマンドになりますねー。。。

■第1集:9月5日(土)午後1時~2時14分

 

佐野研二郎さんを信じる、その理由。

Posted on 2015-09-03

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昨日のブログの〈今日の雑談〉の中で
佐野さんの東京エンブレムで盗作はないと信じていると書きました。

なぜ、そう考えるのかを今日は詳しく書きたいと思います。

 

♦ デザインの構造

そもそも日本において“デザイン”という言葉のややこしさは
その言葉の内の構造を日本語で表そうとした場合に
大きく分けて2階層になっているところにあります。

 

■ デザインの構造
————————————————————————–

[①見えない部分]

思想、概念、発想、アイデア、視点・枠の再設定、設計、計画、機能

————————————————————————–

[②見える部分]

意匠、図案、形態、装飾、模様、色、形、線

————————————————————————–

 

いわゆる『広義のデザイン、狭義のデザイン』と呼ばれるところです。

[①見えない部分]が『広義のデザイン』を指し、
[②見える部分]が『狭義のデザイン』を指します。

 

ですので、「デザインをする」といえば、
[①見えない部分]と[②見える部分]を包括的に作り上げないと
「デザインをした」とは本来いえないのです。

また、[①見えない部分]を無くして[②見える部分]はあり得ないため、
[①見えない部分]が上位概念となっています。

厳密にいえば
[②見える部分]無くして[①見えない部分]もあり得ないので同等なのですが、
[①見えない部分]の構築がなければ作り始めることもできないので、
そうなっています。

 

あと、業界的にも現在では
[①見えない部分]と[②見える部分]の分業は進んでおり、
主に[①見えない部分]をアートディレクターが担い、
[②見える部分]をデザイナーが担います。

アートディレクターはデザイナーの直属の上司にあたるので、
上位となるのもうなずけます。

 

♦ 2段階でオリジナリティが求められる仕事・デザイン

[①見えない部分]は主に自分の思考、
どうするのがあるべき姿かと問いを出し、考える世界です。

[②見える部分]はその思考を軸に
人が見てわかる表現・形態に表し、動いてもらうことを目的とします。
(ポイントは“見て”わかる部分です。わからなきゃ動けない。)

 

[①見えない部分]と[②見える部分]は包括的に作り上げられますが、
脳内で使う部分が全く違う感覚があります。

要は人間思った通りには動けない・できないのと同じで、
やろうとすると易しくはないのです。(笑)

実際に[①見えない部分]と[②見える部分]を
一定水準を超えて両方できるデザイナーって、そう多くはいないです。(笑)

 

ですので、最初の東京エンブレムの公募で
応募者資格を限定したのは、それらができる優秀な人物なら
賞を2つ以上獲っているはずだと審査委の判断が働いたといえるでしょう。
(そこはやっぱり違うと思うけど。)

 

さらに[①見えない部分]が決まっていれば、
[②見える部分]をセンスでそれっぽく簡単に見せてしまえるところも
デザインの仕事が簡単に見えるところでもあります。

そのライトさで十分な状況・場合もありますから、
全部ダメなワケではないのがまたね。。

 

♦ [①見えない部分]はオリジナルだったと信じたい

佐野さんの東京エンブレム問題では、
この[①見えない部分]と[②見える部分]の
2階層それぞれで盗作(いわゆるパクリ)があったのかどうか、
が問われていると見ています。

デザイナー達が真似ではないと主張するのと、
非デザイナーの方が真似に見えると主張するのは
この部分にも行き違いがあるのかもしれないと。

この区別はデザイナーからすると当たり前なのですが、
非デザイナーからすれば、わからないし知らないところなのかもと思って
今日ブログに書いているのもあります。

 

その上で私としては、
[①見えない部分]は、その思想は、
彼だけのオリジナルだったと信じたいのです。
プロとして。

その上で[②見える部分]の作り方にいろいろ難があったのは認めます。
原案も似過ぎなほど似てたのはオリジナル性で苦しいところ…

でも、東京エンブレムに関しては彼本人だけでなく
選ぶ側の責任も問いたいです。

 

あと、その[②見える部分]の作り方においては
ちょっと業界的に根が深いのではないかと思われる問題として、
こっちの方がわたし的にはかなり怖いですよ。。。。

どこで身に付いた感覚なのかと想像すると。。。。怖い怖いっ

 

 

今日も来てくれてありがとうございます^^

それではまた!

 

*** 今日の雑談 ***

業界の問題はブログネタに困らなくて有難いです。(ゴメンナサイ・笑)
当事者だったらキツイですけど…(^^;)

 

所属する業界の「体質が古い」との他からの指摘は、わかってても結構イタいです。

Posted on 2015-09-02

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今日も東京エンブレムネタからのデザインネタを続けます。

どうしてこうなったというのは
様々な人がいろんな立場で分析・発言・発信をするでしょうし、
もうすでに多くの方が語っています。

その上で、現在の私なりの視点でブログに残しておこうと思います。

ですので、個人的な見解のため、
事実と異なる場合も当然あります。

それでも、今の私にはそう見えているし、感じていることです。

 

♦ 広告・デザイン業界の体質的な古さは否定できない

わかりやすく言い切れば
肌感覚ですけど相撲協会なカンジです。(笑)

引き合いに出してますが
相撲のことも相撲協会のこともわかってません。

でも、このわからないけど
そんなカンジじゃないかと感じる感覚は
内と外の乖離という意味で
一般的な感覚に近いだろうとの判断で「相撲協会なカンジ」としました。

エンブレムデザイン審査委員代表に64年の東京オリンピックにも絡んだ
86歳の大巨匠が出てきていますからね。

この騒ぎで倒れないか、やや心配です。
(さすがにご高齢ですから人として心配ですよ。。)

 

♦ 業界的には50年前と同じ体験がしたかった?

前回の東京オリンピックは1964年でほぼ50年前です。

今月の業界紙『ブレーン2015年10月号』で
3ページほどの特集の中に書かれていますが、
オリンピックを日本のデザインの水準を引き上げる機会にすると。
うーん、、、情報出すのが遅い!取り下げちゃったじゃない!(苦笑)

一般的に浸透しているかはわかりませんが、
64年の東京オリンピックはデザイン業界として、
非常に大きな成功体験だったのです。

 

64年では、戦後の国際的なイベント・東京オリンピックで
デザインの統一を計ろうとジャンルをまたいだ協力がありました。

そしてそこには勝見勝(かつみまさる)氏という、
大会全般のデザイン計画の責任者、統括するリーダーが明確にいたのです。
(名前の字面にインパクトがありますよね。)

勝見氏は組織委員会の中にデザイン室を設け
ジャンルの垣根を越えた一流のデザインチームを組んでいます。

今でいう全体のデザインマネジメント、グランドデザインを
彼が実行していたからこその64年東京オリンピックで
デザイン面での成功があったといえます。

ピクトグラム(代表:トイレマーク)
64年東京オリンピックの時に世界で初めて開発されたものです。

 

だから2020東京オリンピックのエンブレムも、
64年東京オリンピックのデザインに熱烈に憧れ、
その時代に影響を受け、まじめに勉強したデザイナーが多く関わるほど
もう一度再現したい、あるいは踏襲したいと思っても仕方ないのかもしれないです。

 

でも時代は変わりました。

2020東京オリンピック エンブレムは
やはり「デザナーのためのデザイン」になってしまった部分があったと
否定できないと考えています。公募・選考方法も含めて。

それらの意図の説明が9月1日発売の雑誌からですから、
情報公開も遅きに失しています。。

 

私も最初に2020東京オリンピック エンブレムをみた時は
いいデザインだけどプロ好みだなと思いましたけど(以前ブログにも書いてます)、
ここまで大騒ぎになるとは。。。(怖)

 

♦ 本当はデザイン後進国だった日本

改めて、2020東京オリンピックに
デザインに反映させるための理念や戦略がないのが
新国立競技場からの、エンブレム白紙撤回で如実に表されているといえます。

ヘタに責任不在な政府に絡ませないで
民間の日本で一番大きな代理店とかに丸投げした方が
全体をまとめるためにグランドデザインを策定したかもしれないです。(苦笑)

 

「デザイン」という概念はイギリスの産業革命後にできたものですが、
デザイン戦略の分野で先進国になるのはまだまだなようです。。

今回の流れから、そう言われても仕方ありません。

なんたって、やっと『デザイン=図案』ではないことの認知が進んできたくらいですから。

 

でも、問題が起こったときにこそ、
何が問題なのかを自覚できるのものです。

それではデザイン業界だけでなく、
専門職であるなら同じようにいえることかもしれません。
(相撲協会とか…笑)

 

まずは自分の場所で、顔を上げて
やれることをやっていくしかないです。

いちデザイナーとして。

 

 

今日も来てくれてありがとうございます^^

それではまた!

 

*** 今日の雑談 ***

佐野さんの結果や、無断使用などのやってしまったことは別問題として、
東京エンブレムで盗作はないと信じてますけどね。
というか信じたい。(苦笑)

また、一人の個人に対しプライバシーまで暴いての制裁を加えるのは
いつも疑問に感じてしまいます。

 

デザイン業界のあり方が変わるエポックメーキング?

Posted on 2015-09-01

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2020東京オリンピックのエンブレムが
とうとう使用中止のニュースが出てきました。

東京五輪エンブレム、使用中止の方針 大会組織委 (日経)
東京五輪エンブレム使用中止 組織委方針 佐野氏が制作 (朝日)

 

♦ で、なにが問題か?

文章にしろ、ビジネスにしろ、デザインにしろ、
自分の腕を上げたければ、まず真似るのが近道です。

人間、自分一人の脳内だけで考えて
実力を上げ、価値のあることを作り上げられるのは
本当に一握りの天才だけです。

 

また、斬新なアイデアでも
「自分が思いついたら、同じことを世界に数人は思いついている」と
言葉尻は多少違っても、こんな内容のことを聞いたことはありませんか?

自分の頭で考えても
他の人と考えていることが似かよることは
なくはありません。

 

とはいえ、2020東京オリンピックのエンブレムはまた別の話。

偶然の一致が結果的にあっても、
商標に関しては
デザイナー(制作者側)はチェックはせず、
クライアント(依頼者側)が確認をします。

それはデザイナー(制作者側)には
『日本中、あるいは世界中の商標権抵触を回避するための
知見を持ち合わせていません』というのが理由です。

下のブログから引用。
責任は常に、「選ぶ側」にあるのです。

 

で、佐野さんのエンブレムも
実際に原案がどんなに他と(マズいほど)似ていても、
本当に盗作だったかどうかは私にはわかりません。
やっぱり信じたいんですよー><

自分が今まで作ってきたもの中にも、
似たものが実はこの世に多くある可能性はあるのです。。。

 

でもですね、佐野さんのエンブレムの好き嫌いはともかくとして、
エンブレムの活用例(イメージ図)で使った写真の無断使用は、
言い逃れができないマズさです。。。。

トートバッグの件もありますし。。。。

 

♦ デザイン以前の話になってしまう

広告やグラフィックでは、写真使用を前提とした場合に
カメラマンに依頼する前のプレゼン用のカンプでも、
クライアントがわかりやすいようにイメージ図を作ります。

そもそもない写真を使おうとしているのだから、
イメージ通りの写真はこの世に存在しません。

ストックフォトと呼ばれるところからお金を払って使用するか、
個人のものなら使用許可をもらうか(金銭絡みつつ)、
カンプ用に写真を撮るか、カンプライターと呼ばれる
カンプ用のイラストを描く専門家に依頼してイラストでイメージ図を作るか、です。

いずれもお金がかかるか、自分で撮るなら時間がかかります。

 

それらはデザイン料とは当然別料金なので、
予算が少ない仕事ではクライアント側も理解が進んでいないと
コスト増を嫌がりますし、請求に転化できないからと
なあなあにしているところは少なくなく存在しているでしょう。

 

【専門用語解説】
ストックフォト:ストックフォト(Stock Photo)とは、頻繁に使用されるであろうシチュエーションで予め用意された写真素材のこと。(Wikipediaより)昔はポジのフィルムで探した。

カンプ:簡単にいうと仕上がり見本。デザイン案の完成確認用の図のこと。デジタル時代になりスケッチでのアイデア案の確認はプロ同士でしかやらなくなったかも。

 

フリー素材もありますが、
フリーは無料なだけにクオリティに劣ることが多いので、
探しても徒労に終わることが多いです。。
ストックフォトもそういうことありますけどね。

「この画像勝手に使っていいのかなぁ?」Googleで著作権フリーの画像を検索する方法。#44

 

私のブログはmorgueFileという海外フリー写真素材サイトをちょっと前まで使ってました。
「Free photos」のところだけ。(笑)
http://www.morguefile.com/

 

♦ 後出しジャンケンですけど。

2020東京オリンピックエンブレムは招致決定後に公募したとはいえ、
応募資格では『東京ADC賞やTDC賞、ONE SHOW DESIGNなど
組織委員会が指定した国内外の7つのデザインコンペのうち、
2つ以上を受賞しているデザイナー』に限定されました。

ざっくりいうと、
応募資格を国内業界内の1%以下ほど(百数十名くらい?200人いるのかな??)のデザイナーに限定したので
出来レースでもあるんじゃないかと疑われる余地があったといえます。
(私も資格外だったので限定されたことに当時愚痴ったのは認めます。苦笑)

一般公募だと膨大な量になって選ぶのも大変だったろうし、
プロでないと展開できないとの委員会側の意見もありましたが、
桜の招致ロゴは公募して学生の作品を選出後に
インダストリアルデザイナー榮久庵憲司(えくあんけんじ)氏の監修で
ブラッシュアップされたものですので、
そういった手法もなくはないんですよね。

 

まあ、そこを突きたいのではなく。

応募の段階で思いっきり応募資格のハードルを上げておいて、
コンペフィーも支払わず、決まった案にだけ100万円(+招待状)という金額で
国内外のトップクリエイターに2ヶ月もない短期間で、
各メディアや動画展開まで考え作ってもらおうというのも
なんだか虫がよすぎません?

逆に「バカにすんな」と誰も応募しなかった方が
良かったんじゃないかと。(笑)

 

ロンドン五輪エンブレムは
ブランド・コンサルタント会社に40万ポンド(今のレートでおよそ8,000万)で
それは個人に支払われていないし、高いと悪評だったみたいですが。

ザハには採用中止で十億円単位で支払うですよね?うーん。。

 

今さらのたらればなんて
いくらでも言えるので気楽なもんですけど(^^;)

64年の東京オリンピックとは違う意味で
デザイン業界のあり方が変わるエポックメーキングとなりそうです。

 

 

今日も来てくれてありがとうございます^^

それではまた!

 

*** 今日の雑談 ***

1ヶ月ほど詰まった感のある右耳が
いまだに治らないので耳鼻科に行ってきました。
また来週に再診に行きます。。
で、調剤薬局で処方してくれたマダムな薬剤師さんが
薬のことも丁寧に教えてくれるし、
笑顔からカンジのいい方ですごく安心しました。
私の中でナンバーワンです。(笑)

 

「既存のアイデアの新しい組み合わせ」と「コピペ」の判断

Posted on 2015-08-18

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*とあるパーティのCMYK団子。(CMYKとは色の表現手法の1つ。主に印刷で使われる。)

某アートディレクターの方の東京オリンピックのエンブレム盗作騒ぎから
トートバックにまで騒ぎが広がっているのを見て、
同業の端くれとして思うところをブログに残そうと思います。

(結果、長くなってしまいました。。苦笑)

 

♦ 前提として、役割の違い

そもそも業界の前提として、
アートディレクターは必ずしも自ら制作するものではありません。

その役目はプロジェクト全体のコンセプトから
適切な表現コンセプトの方向性を決定し、舵取りをすることです。

現場で船を漕ぐの(表現自体の制作)は
多くはデザイナーの役目になります。

理由は単純で一人でできる分量に限界があるから。

広告キャンペーン系になると一人で制作することは物理的にできません。
連日連夜徹夜で作業しても終わらない分量になるからです。
特にプロジェクトが大きくなればなるほどそうならざるを得ません。

1プロジェクトにアートディレクター1人に対して
デザイナーが1〜多くて5・6名くらいが現実的なチーム人数なのではないでしょうか。

デザイナー 3役職の違い解説 <クリエイティブディレクター・アートディレクター・デザイナー>

 

なので「アートディレクターが作っていないのはおかしい」という意見は
自動車会社の社長に「社長が工場で組み立てていないなんておかしい」というようなものです。

ただし船長(アートディレクター)である以上、
船員(デザイナー)の監督責任は発生します。

いかに大変でも。。

 

♦ 構造が同じだと確かに視覚的に似てしまうこともある

見た目が少しでも似ていたらパクリと騒いでいるだけに見える部分もありますが、
人間が美しいと感じる、もしくは感じやすい構造には絶対ではないにせよ法則があります。

単純な構成だけでいうと、
正円や正多角形、それに伴う角度やサイズ、
色の整合性(赤は温かく感じ青は冷たく感じる、など)。

シンプルな構成では角度が同じになるのは
まあ、あり得るだろうなと。

360度の6等分割は60度の角度になるのは当たり前で、
62度や58度では構成がまとまりませんし、美しく感じられません。

それが同じだからといって似ているといわないのではないでしょうか。

同じ定義を使っただけで似ているといわれたら困る科学者は多いはず。(笑)

同じ単語を使っても同じ文章とは限らないのに、
ビジュアル(視覚情報)になると色合いが似ただけでも
同じと騒がれる傾向が見受けられたので
目利き力のない人の方が騒がしいのは悩ましい限りです。。。

 

特に通常の仕事でも、個人的な好き嫌いで語っているだけでは収まらないし決まりません。

ビジュアル(視覚情報)はコミュニケーションスピードが速い分、
好き嫌いという意味でもパッと見で判断されやすいです。

実は言葉と同じように思考の階層があるのですが、
その上位の階層で判断しないと求めているものからブレてしまいます。

好き嫌いの感情と混ぜてしまう傾向があるので、
分けないと冷静な判断が難しくなります。

いや、もしかしたら感情と絡むからこそ冷静な判断が難しいのかも。。。

 

♦ 「既存のアイデアの新しい組み合わせ」と「コピペ」の判断

マネや似ていることがいいと言っているのでは決してありませんが、
「パクリ」が「少しでも似ていることは全て不可」とするなら、
何も生み出せなくなるのはお分かりになっていただけるのではないでしょうか。

ただし、引用の線引きに対しての曖昧さ・難しさも感じています。

特に若手デザイナーは修行中のため様々なことがわかっていない分、
認識が甘い可能性があります。
(この辺りは自戒もかなり込めて。)

コピーライターの小霜和也氏のブログ『「元ネタ」と「コピペ」の線引き』にもありましたが、
「大丈夫だろう」が大丈夫じゃなくないことが多くあるけれども、
それでも表現を自分の中だけで全て作り出すこと(アウトプット)は不可能ですから、
やはり今まで見てきたもの(インプット)の影響は拭いきれず、
あるいはヒントをもらうこともないワケではありません。

 

「元ネタ」からのアイデアの昇華のレベルが
「既存のアイデアの新しい組み合わせ」にまで至っているのか、
「コピペ」レベルでしかないのか、
その判断も含めて終わらない修行をしているようです。

それが自分だけでなく、その思考構造を部下にちゃんと伝えて、
ちゃんとできるようにしている上司は世界にどれほど存在しているでしょうか。

難しさはそこにもあります。言うは易しですから。

 

※話が複雑になるので
広告代理店でのコンプライアンスチェック等はここでは割愛します。

 

♦ 最後に、他者を吊るし上げて全体としていいことあるのかな

同業ゆえに騒ぎが気になっているというのもありますが、
多くの理解ある人は黙っているとわかりつつも
この傾向は日本文化全体ではマイナスにしか作用しないだろうに
どうしてこうもターゲットを定めたイジメっぽくなってしまうのか、
理解できずにいます。

佐々木俊尚さんsasakitoshinaoの「くだらない的外れな非難をする人たちに「俺たちの声がやっぱり正しかったんだ!」という成功体験を与えてしまうのは、社会として健全ではありません。無視する力を持とうよ。」

変な大声で日本のデザインがもっとつまらなくなったら
いろんなものがもっともっとつまらなくなってしまうだろうに。。。

 

で、話題の契機となった東京オリンピックのエンブレムですが、
デザイナーに賞金100万円なんですよね。
ロゴに伴う権利もオリンピック組織委員会に譲渡です。

ロゴに100万は高いですか?
でも国際事業のオリンピックです。

コンペの制作期間も、本業を同時に進めつつ
動画やエンブレムの全体構成を考えさせて作らせて2ヶ月弱という短さ。
コンペにかかる制作費はもちろん持ち出し。

青天井で払うべきとは考えていませんが、
オリンピックロゴに対してこれではデザイナー個人の気概のみが頼りの価格です。
(その後の大騒ぎを思うとこの価格では。。。)

ロンドンオリンピックはロゴ制作費に40万ポンド(今のレートでおよそ8,000万)で、
お金じゃないとはいえ、
お金に換算してみるとわかりやすい部分を感じてみたりしております。。
(さすがにロンドンでも高いとの批判が出たようですが。北京、リオはわからず。)

同じ先進国としてデザインに対する意識の差をここからもみてとれます。

 

 

今日も来てくれてありがとうございます^^

それではまた!

 

*** 今日の雑談 ***

滋養にニンニクを毎晩摂取中。今会うとニンニク臭が芳しいかも。(笑)

 

『部分最適の集合体は全体最適にはならない』→ デザインほど、その結果がわかりやすいものはない

Posted on 2015-08-03

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新国立競技場に続きエンブレムでも騒ぎが起こっている東京五輪2020ですが、
改めて思うところをブログに記そうと思います。

 

♦ やっぱり気になる東京五輪2020のコンセプト

新国立競技場が白紙撤回になった際にもブログに触れましたが、
ビジョンには『Discover Tomorrow 未来(あした)をつかもう』とあります。

↓こっちが正式なんですかね?(苦笑)
https://tokyo2020.jp/jp/vision/

 

いずれにせよ、この言葉のままでは
あまりに曖昧すぎてそれぞれが想う未来を描いてしまいます。

そのコンセプトを総括し、
どのジャンルのアウトプットにもその世界観を体現したものを
それぞれの専門のデザイナーに作り出してもらうには
発注者側の考え方のディレクションが必須です。

そこもデザイナーを巻き込んで作っていくか、
信任して預けるか。

全ての“目に見えるもの”にするときに、
統一したメッセージを伝えるために
どんなイメージで総括していくのかを決め、共有することが大事です。

「カッコ良くして」というオーダーは、
“何”をカッコいいと感じて、“どうして”カッコ良くしたいのかを伝える必要があるように、
(和風っぽいのがカッコいい、英国式ジェントルマン風がカッコいい、
黒がカッコいいも含め、などなど)
いいアウトプットにはいいインプットも必要なのです。

 

まあ、一連の流れを見ていると、、、ないんでしょうねぇ。。。凹

 

♦ それぞれが頑張っていても…

新国立競技場のデザインがどうとか、
エンブレムが似ているかどうかとか、
ボランティア用の制服がどうがとか、

建築物も、エンブレムも、制服も、
全てがベストを尽くそうとそれぞれの立場のデザイナーが頑張っているはずなのに
それぞれがバラバラな印象にできあがり、いちデザイナーとして切なくなってきます。。

 

ドラッカー先生の言葉に、
「部分最適の集合体は全体最適にはならない」とありますが、
デザインほど結果が目に見えてしまう分野もないのではないでしょうか。

思想の具現化ですから。デザインされたものは。

 

♦ グランドデザイン(全体構想)

オリンピックほどの国際事業にこそなくてはならなさそうですが、
これに大小に関わらず政治的要素が絡んでうまくいかないものなのでしょうかね。

良い悪いは別にして日本で一番大きい代理店に丸投げした方が
グランドデザインもしっかりできたかもしれません。
(政治的に無理だと思いますが。苦笑)

 

 

今日も来てくれてありがとうございます^^

それではまた!

 

*** 今日の雑談 ***

やっと熱も下がってきました。
でもまだ扁桃腺が腫れているので
ウォーキング&スロジョグはしばらくお休みです。

 

思考経路は違っても、結果が似てしまうことはある。

Posted on 2015-07-30

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東京オリンピック2020では
競技場に続きエンブレムの件が盛り上がっていますね。(苦笑)

ここではデザインがどうのと言及しませんが、
デザイナーにとって悩ましい問題をブログに書いておこうと思います。

 

♦ しょせん“同じ人間”がつくるもの

目に見えるデザインでは類似がわかりやすく、
少しでも似ていると盗作と呼ぶ方もいますが(現実そういうのも多くありますからね…)、
シンプルで象徴的なカタチに関しては、
結果的に似てしまうことがあります。

真似るつもりは一切なくとも、
あるいは記憶に残ったものが無意識にとの話も聞きますが、
そもそもシンプルなもの(丸とか正多角形など、色なら白・赤・黒・金・銀とか・笑)は
独創的ではなく普遍的なものです。

その普遍さゆえに本質から思考を辿った結果、
それを表すカタチに選ばれ、結果的に類似してしまう現実があるのです。

そうならないように調べながら進めているにしても、
残念ながらこの手の話はなくなりません。

 

地球上でも、進化の過程の全く違う生物同士が
そこの条件に適応していった結果、
形態の選択肢が狭まり、外見が非情に似てくる収斂進化に近いでしょうか。

 

♦ 類似を避けることは可能か

100%は難しいでしょう。残念ながら。

理解できないものでなら可能かもしれませんが、
人間が人間である以上避けられません。

ただ、ベルギーのデザイナーが自身が作ったロゴと似ていると
声を上げるのはいいと思うのですが(もし私も同じ立場ならそうするかもしれないから・笑)、
騒ぎ方がやはり冷静さを欠いているように私には見受けられるのです。

いつもの炎上騒ぎなのかもしれませんが、
冷静さがなければ次善策を練ることも難しくなります。

 

♦ さらに現在、多くのカタチが生まれ続けている

さらに今現在はあらゆる多くのロゴが生まれ続けています。

全くかぶらないカタチは可能なのか、とすら思います。(笑)

小説や文章でも、それぞれの人が自分の言葉で語るとしても、
プロが提供するものにはオリジナルティが求められます。

今の時代は瞬時に共有されますし、
さらに文章や論文は読んで理解しないとわかりませんが、
ビジュアルは瞬間共有ですから、さらに難易度高めになります。

でも、新しいからといって理解できないレベルの独創的なものは
世界からほぼ受け入れてもらえません。(笑)

それでも、新しさを求めて作っていきましょう、デザイナーは。

 

 

今日も来てくれてありがとうございます^^

それではまた!

 

*** 今日の雑談 ***

東京オリンピック2020のエンブレムは
個人的にはいいデザインだと思っていますが、
それでも象徴的にすぎた分、プロは好むけど、
多くの方にとっては招致のカラフルな桜のエンブレムの方が好まれそうとも思いました。
桜のを今回改めて見てそう感じました。

2016リオのエンブレムも似ている話は出ていたようですし、
国際的に商標を確認しながら進め、問題がないのであれば毅然とした態度でいて欲しいです。
どんなデザインが決まっても文句ゼロはないでしょうし。

結果似ていても盗作では決してないと思っています。