デザイン制作にしろ、企画立案にしろ、
よく語られる言葉として『コンセプト』という言葉があります。

 
【 コンセプト 】 全体を貫く「基本的な概念」のこと。

[三省堂辞書サイト]10分でわかる「コンセプト」 より

 
意味の括りが大きい言葉ですよね、『コンセプト』。

私はデザイナーなので、よくある『コンセプト』の使い方としては
表現方法における『コンセプト』であることが多いです。

この表現方法における『コンセプト』は実に多彩なものになります。

表現は無限にあるからと言っても過言ではないでしょう。

それを制限するのは予算であったり時間であったり、
表現を定着させる制作者の実力かもしれません。

 
でも、その表現方法の『コンセプト』の奥にある、
そのものの本質を構築する『コンセプト』は違います。

同じ言葉『コンセプト』で語られることが多いので間違えやすいのですが、
表現方法の『コンセプト』では、「好き嫌い」や「易い難しい」で
振り回されやすい側面があります。

それで何が問題なのかと思われるかもしれませんが、
「好き嫌い」では大きな無駄も生じやすいですし、
何より他者に対して説得力が生まれません。

 
例えば、自分を表す方法を考えた時、
“表現をする”という『コンセプト』なのであれば
なんでも好きなものを選んでいいことになります。

歌ならロックでもポップでもジャズでも、
絵なら油絵でも水彩でもクロッキーでも、
文章なら日記でもブログでも俳句でも、
好き嫌いで選んで構いません。

 
ですが、なぜ自己を表す必要があるのか、
表現は何の為にするのかを、もっと深く本質近くまで掘り下げていった時、
表現はなんでもいいとはならないのです。

“新しい趣味を開拓する”という『コンセプト』があるなら
歌でも絵でも、やったことのないジャンルならOKとなります。

“思考を深めたい”という『コンセプト』なのであれば、
歌って感情を表すよりも言葉での表現が適している、
ノートに書く日記形式より他者に向けての発信ができるブログがいい、など
表現の方向性・手段は狭まれていきます。

 
本質を構築する『コンセプト』になればなるほどその数は減り、
逆に多くの事例に対処できる『コンセプト』となっていきます。

順番としては、その本質を構築する『コンセプト』にそって、
表現の『コンセプト』を構築するんですよね。

 
あるいは、仕事でなくとも、
私自身がこの本質を構築する『コンセプト』を持って
ブレない選択をしていきたいと考えています。

 
デザインは思想

“思想”は何からできている?

 

*** 今日の雑談 ***

朝起きたら街からクリスマスがなくなっていました。
いつもながらこの切替えの早さに感心。

まあ、確かに日本人だから年末年始にクリスマス色を残して
お正月を迎えるのはなんかイヤかもしれません。

関わる現場は大変だろうなぁって毎年思います^^;