前回のエントリーでは
デザインの定義を「ビジュアライズ」つまり〈イメージの可視化〉とし、
本来のデザインという言葉の意味する「思想・設計」を含まずに
意味する範囲を狭めてまとめました。

「百聞は一見にしかず」の“一見”の価値

今回は「思想・設計」も含んだデザインとは
どういうものかをまとめてみます。

 

♦ それぞれにデザインがあるのではなくて

専門がグラフィックデザインなので、まずは専門業務からの視点で書きます。

商品そのもの、それらを包むパッケージ、
HPやロゴや名刺や看板などなど、
店舗ならインテリアや店頭ツール、
広告、キャンペーンも含めて、
サービスや商品のストーリーや魅力がお客さんへと伝わるように
コミュニケーションをあらゆる接点からとっていきます。

もちろんここではネーミングやコピーも大きな役割を果たしますし、
何かが単独で機能して大成功ということではありません。

また、営業・接客・仕組みなどの連携があってこその商売です。

当然、常にお客さんのニーズは何か?や
ドラッカーの「何がなされるべきか」の問いは続けることになります。

 

それぞれのコミュニケーションの働きを計画・設計し、
全体の最適であるかどうかの判断をするのが
本来デザインが意味することです。

それらを踏まえた上で、
文字も含めたコミュニケーションの最終アウトプットが
「ビジュアライズ」つまり〈イメージの可視化〉なのです。

(そもそも、“文字”も“言葉の図”ですから!笑)

 

♦ デザインは全体から考えないと機能しない

書くのは簡単ですが、難しいことでもあります。

やったらやったなりの結果が出るのは間違いありませんが、
ほとんどが、うまくいく成功方式などなく、
どのプロジェクトも成功を狙っても
やってみなければわからないことだらけだからです。

また、「ビジュアライズ」されると
目の前に見えるものだけで判断をしてしまうので、
そこだけを自分の好き嫌いだけで決めようと
全体の視点や、そもそも誰のために作っているのかが
抜けやすくなることがとてもとてもよくあります。

デザインの「ビジュアライズ」された部分で
全体の不完全さを補おうとしても、残念ながらほとんどが機能できません。

少しごまかせるかどうかの程度問題です。

 

何かと言いたくなる「ビジュアライズ」でアレコレ悩むのではなく、
そもそも何を目的としているのかを見つめ続けることこそ、
全体からデザインを考えることになります。

それがブランディングへとつながるのです。

 

 

今日も来てくれてありがとうございます^^

それではまた!

 

*** 今日の雑談 ***

週末に見に行ったサントリー美術館の『若冲と蕪村』展は、
若冲の絵を観にいったようなものですが(蕪村ごめんなさい)、やはり見応えありました。
若冲は千年に一人の絵師だと思っています。
絵のクオリティが時代を超越しているんですよね。千年後に見ても新しいでしょう。
5月10日までなので混んでました。。。(もっと早く行けばよかった・苦笑)